どうも、三吉祐司です。
今日は2019年現在の海外の論文を元に、日本で浮き彫りになった予防歯科の問題点について解説していきたいと思います。
では、まず結論から。
日本では虫歯と歯周病予防に必要なフッ素の摂取量が足りていない。
2019年のWHOのガイドラインを主な参考として話を進めて行こうと思う。
まず、真っ先にこんな反論があると思うので答えておく。
「フッ素を取りすぎるとフッ素症になって骨や歯が脆くなったりIQが落ちたりするから取りすぎない方が良い」
はい、その意見は正しい。
ただし、それは汚染レベルで水にフッ素が混入していた場合や長期使用の場合に限る。
(Kurdi.2016の論文)
フッ素急性中毒を起こしたという症例もあるが、それは一回のフッ素服用が汚染レベルだった場合のみで、最近ではそのような症例は起こっていない。
(1942年のオレゴン州の病院で、粉ミルクのフッ化ナトリウムにより、急性中毒467例を引き起こし、そのうち47例が致命的だった)
過剰摂取による毒性は確認されているが、日本では明らかにフッ素の摂取が足りていない。
WHOはフッ素が不十分な場合においても歯や骨に対して健康被害を及ぼすと明確に断言している。
こんな反論も来そうなので答えておく。
「いやいや、日本の歯磨き粉はフッ素が入っているじゃないか」
確かに、歯磨き粉にも入っていますね。
それも有効な虫歯の予防手段ではあるのですが、問題はそこではないのです。
では何が問題なのかというと、
フッ素を補給できる飲料水が足りない。
という事なのです。
WHOのガイドラインによると、飲料水中のフッ素濃度は1リットルに対して、0.5~1.0mgが最適とされています。
しかし、この基準を日本の水道局は満たしていませんし、フッ素配合のミネラルウォーターも少ないので意識的に飲んでる人は少ないんじゃないかと思います。
では、このWHOの発表基準を満たしていないとどうなるのか?
それを調査している論文が別にありますので紹介しましょう。
ウクライナのトランスカルパティア地方で行われた調査(ウジホドロ国立大学歯学部)によると、フッ素およびヨウ素が不足している地域で生活する子供は虫歯と歯周病が多かったとあります。
調査は、6~15歳の300人の子供を対象に行われ、以下のデータが示されました。
まず、乳歯のう蝕(乳歯の虫歯)の割合を比較したところ、
乳歯のう蝕のデータ
6歳 : 92.19%
12歳: 16.4%
15歳: 4.02%
となりました。
12歳と15歳での乳歯のう蝕が少ないのは単純に歯が抜けて永久歯になったから、乳歯の本数が減った事と関係しています。
しかし、6歳の時点で90%を超える子供が虫歯になっているわけですから事態は深刻と言わざる得ません。
次に、歯周病に関しての調査ですが、以下のデータをご覧ください。
歯周病のデータ
6歳 : 53.44%
12歳: 80.28%
15歳: 85.5%
こちらは年齢の増加と共に歯周病の割合が増え、12歳を超えると80%以上が歯茎に異常があるという状態でした。
この論文ではWHOのガイドラインは正しかったと結論付けています。
そこで、日本の問題点なのですが。
日本は飲料水におけるフッ素の条件が、このウクライナのトランスカルパチア地区と似た条件にあるという事が問題なのです。
日本国内においても、いくら歯を磨いても虫歯になるし、どんだけ頑張っても歯周病が治らないという人が多い。
その理由は、フッ素の入った飲料水が不足している事が原因だったのです。
すぐに虫歯になる人と歯周病の治らない人は、フッ素入り飲料水を飲むべき。
2016年の疫病研究によると、永久歯の虫歯で、世界的には24億人が苦しんでいると発表しています。
そして、フッ化物の摂取は基準値を超えなければポジティブな影響しかなく、虫歯を防ぎ、口腔衛生に有益な効果をもたらすとしています。
歯磨きだけで歯の表面にフッ素を塗ったところで、歯の内側や、歯茎内部にまではフッ素は浸透しません。
だからこそ飲料水で適量を摂取する必要があるんですね。
日本では一部の医者が「フッ素は有害だからフッ素入りの歯磨き粉を使わせるな」と発言していましたが、もし有害になるケースがあるとすれば誤飲した時くらいなものでしょう。
では、どのような場合に危険になるのかを解説します。
フッ素のリスクを理解し、対策をしよう。
フッ素を取りすぎる事によって起こる事。
・メラトニン合成に悪影響が出ます。
脳の一部である、松果体(しょうかたい)がフッ素沈着物で詰まり、メラトニン生成が正常にできなくなる。メラトニンは睡眠の維持に関わる成分ですので睡眠障害につながる可能性があります。(2015年エドワード博士)
・フッ化物の長期摂取は、骨と歯、その他臓器に悪影響を及ぼす。
フッ化物が体内に入ると90%が胃腸で吸収され、残りは排泄される。吸収されたフッ素は肝臓に溜まり、濃度が増えると肝臓に負担がかかる。(Kurdi、2016年)
過剰摂取により、骨格フッ素症になり、体内の骨が弱くなる。(Nordqvist、2018年)
日本では現在水道水にフッ素が含まれているなんて事はないので、過剰摂取や長期使用への主な対策は必要ないが、水道水がフッ素化した場合は注意が必要である。
最後に重要な事なのでもう一度。
日本ではフッ化飲料水が足りないので、頻繁に虫歯になる、歯周病が治りにくいなどの症状がある人は、水1リットルに対しフッ素0.5~1.0mgの飲料水を選んで飲むようにしよう。
日本で買えるミネラルウォーター
フッ素入りのミネラルウォーターを探してみましたが、中々悲惨な状況でした。
日本で販売していて、WHOのガイドライン基準にあう製品が圧倒的に少ない。
ウリベート 炭酸水(500mL*24本入)【ウリベート(ULIVETO)】[ミネラルウォーター 水]
1ℓに対し、フッ素は1.0mgなので基準値最大。
僕が検索している現在、楽天でもAmazonでも売り切れ。
天然水 クリティア 富士山のお水(12Lボトル×2本)佐川急便配送/CLYTIA ミネラルウォーター 非常用 防災グッズ 水 ソフトドリンク ウォーターサーバー用※沖縄・離島不可
こちらは、日本国内で販売してる水で、0.85mgと基準値内。
少し高いのと、そこら辺のスーパーで買えないのが問題かも。
ハッキリ言って商品を探すのも入手も困難な状態だ。
どっかの企業さん是非、商品開発してください。
“フッ素で歯を丈夫にするために本当に必要な事を解説”へのコメント1
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