どうも、三吉祐司です。
令和元年12月3日に浅草で VEGAN STORE(ヴィーガンストア)がオープンしました。
そこでは、ヴィーガン認証マークを取得した商品を中心に販売しているコンビニや、ヴィーガンが原材料を気にせず食べれる飲食店が並びます。
日本では、ヴィーガンが本当に住みにくく、日本人でも食品を買うのが難しいのに、日本語が分からない外国人は食べ物が買えなくて日本に来れないという話を2018年1月頃からしていました。
オリンピック間近になって、色んな方がようやく焦って取り組み出したのですが、正直対応が遅いと思っています。
こんなのは数年前から分かっていた事ですからね。
それはさておき、今回は折角ですから科学的なお話をしようと思います。
ヴィーガンが増えているのは前提として、ではヴィーガンは身体に良いのか?
では結論から。
ヴィーガンの食生活は身体とメンタルにポジティブな影響を与える
では解説していきます。
まず、よくある反論に答えましょう。
「え~、たんぱく質はどうするの~?」
豆、雑穀、野菜、米、小麦にも十分な量のたんぱく質が含まれています。
人に必要なタンパク質量は普通の食事で足ります。
剣や槍や弓で戦争をしていた時代の軍人は、ほとんどが全粒粉パンや玄米で体を作っていました。
屈強な戦士として有名なスパルタ兵も例外ではありません。
陸上選手のカールルイスも菜食主義になってから新記録を出しました。
屈強な肉体を作るために肉を食べる必要は、絶対にあるとは言えないのです。
「でも、肉を食べないと身体が弱くなるでしょ」
そんな感じでまだ疑ってる人もいると思うので、最新の研究論文を元に説明していきましょう。
雑食であってもヴィーガンであっても運動能力に関しては利点も欠点もない
【2019/5/20 国際スポーツ栄養学会(ドイツ臨床試験登録2017/4/28)】の研究論文によると、ビーガンか雑食かでアスリートの運動能力がどの様に変化をするのかを測定したところ、食と運動能力にはほとんど相関性がない事が分かった。
つまり、「肉を食わないと弱くなる」や、「菜食の方が強くなる」といった意見はどちらも科学的根拠が見つからなかったのだ。
それらはあくまでも個人的な主張でしかない事が分かった。
トレーニング内容が適切なら運動能力は食生活に関係なく伸びるし、逆に食生活に気を付けてもトレーニングが適切でないと運動能力は上がらない。
ただし、このドイツの実験では例外がでた。
ヴィーガンの女性のランナーに関してだけは、スタミナが12%増加したというのだ。
男性は雑食だろうがヴィーガンだろうが運動能力に変化はなかった。
【計測は非喫煙者の76人のランナーを集め、26人が雑食、26人がラクトオボベジタリアン、24人がビーガンで実地。服装は軽装で、靴なし。安静時に心電図と健康診断をしたあと、心臓専門医が評価。24時間体制で栄養管理し、運動テストをしたのちに動脈毛細血管の血液を採取。グルコユースや乳酸濃度が調べられた。】
ただし、これは運動能力に関する指標であり、健康とはまた別である。
肉食が増えると炎症が増えて、病気のリスクや認知機能の低下、更にはケガのリスクが高まる
【2019/4/17 医学部、生理学研究所、コメニウス大学(スロバキア)・臨床栄養センター(スロバキア)・ワシントンDC医師委員会(アメリカ)・ジョージワシントン大学】の論文によると、雑食かビーガンかで腸内細菌の環境が大きく変わるとあった。
それによると、ポリフェノールや食物繊維は、メンタルや睡眠の質を上げるビフィズス菌や乳酸菌を増やし、抗病原性、抗炎症、心血管保護などの作用を得る。多様で有益な腸内細菌を増やすにはビーガンの食生活が良いという結論に達した。
バクテロイデス(腸内細菌)は、動物性たんぱく質や飽和脂肪で増え、炎症性が高く肥満の原因になるとして気を付けるべき細菌である。
この細菌が増えてくると、炎症性腸疾患、肥満、動脈硬化、二型糖尿病、癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、自閉症スペクトラム、アトピーなどの発症リスクを高める可能性がある。
実際に、ベジタリアンの多いインド人と、そうでない中国人の腸内細菌を比較したところ、バクテロイデスの割合は中国人が4倍で。
イタリア人と、ほとんど動物性食品を食べていないアフリカの子供たちを比較すると、イタリア人のバクテロイデスは2倍だった。
つまり、バクテロイデスを減らして、反対にビフィズス菌や乳酸菌、ルミノコッカスやプレボテラ(腸内細菌)を増やす事が重要とされる。
その為には繊維の多い野菜や雑穀、ポリフェノールの多い果物が重要だったのだ。
玄米や全粒粉パンのような炭水化物は、大腸まで届き、腸内細菌のエサになって、エネルギーを作る。さらに果物も食べる事によって、バクテロイデス(良くないやつ)を減らし、乳酸菌を増やす事が分かっている。
ただし、白米や全粒粉でない小麦食品は食物繊維やビタミンが足りないので避けた方がいい。
白砂糖、化学調味料という無細胞食品は小腸で容易に吸収される事から、腸から栄養を奪い、炎症の原因になる。
白砂糖の大量に入っている飲み物や洋菓子がメンタルを悪化させる事は分かっていますが、それは脳血管の炎症を起こすからで、脳に炎症があれば認知機能(頭の回転の速さ)も下がる。
タンパク質も取りすぎれば炭水化物の摂取量が減り、その結果善玉菌が減る事が分かっている。
動物性由来のたんぱく質は特に死亡リスクを高める。
ポリフェノールは抗炎症作用、抗肥満、抗酸化など、様々な健康効果があり、ビフィズス菌のエサになるので積極的に取るべきである。
腸内細菌のバランスを整える事で肉体的にも精神的にも健康になる。
1993年から分かっていた事
1983年から10年間に及ぶ、中国と米国による大規模な疫学調査がある。
【米国のコーネル大学とオックスフォード大学。中国からは、中国衛生部、中国医療科学研究所】が参加したプロジェクトで【チャイナ・スタディ】によると、より菜食に近い中国の伝統食を食べていた人と比較して、肉を中心に食べていた米国人の心臓マヒでの死亡率は17倍に達していた。
さらに、この結果を受けてコーネル大学の栄養学者、コリン・キャンベルが研究したところ、総摂取カロリーのうち、動物性たんぱく質の割合が増えるとガンでの死亡率が増える事が分かった。
その割合も、動物性たんぱく質10%だと癌死亡率11倍になり、20%を超えると癌死亡率は20倍になったという結果になった。
つまりどういう事かというと。
結論
肉や牛乳や卵などの動物性たんぱく質は食わない方が良いし、食べるとしても嗜好品と思うべき。
“ミクロの住人が健康を作る【ビーガンの食は健康か?】”へのコメント3
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