どうも、三吉祐司です。
俳優の清水宏次朗さんが不安障害になったとしてニュースになっていました。
そこで今日は科学的に効果の認められている不安障害の民間療法を教えたいと思います。
取り合えず結論から。
不安障害は民間療法で改善出来る。
こんな事を言うとこんな反論があると思います。
「いやいや、民間療法なんて胡散臭いし病院に行けよ」
ごもっともです。
しかし、病院でも優先的に行われるべき認知行動療法やセロトニン受容体再取り込み阻害薬(SSRI)の使用を行わない残念な病院も多いのです。
その為、実績や人気のある病院の予約が取れなくて、微妙な病院に行った結果、利益主義の間違った投薬を続けられて具合を余計に悪くする人もいるのが実情です。
じゃあ一方で民間療法はどうかと言うと、科学的に正しい方法であれば副作用なしに、かなりの成果を見込めます。
うつ病や、不安症や、対人恐怖を持ちながら、科学の論文を参考に自分で試して効果があった方法を今回ご紹介します。
民間療法をまとめると
・認知行動療法
・マインドフルネス
・運動
・森林浴
・十分な睡眠
・レモンバーム(ハーブ)
・西洋オトギリソウ(ハーブ)
では解説していきます。
認知行動療法
認知行動療法とは、認知のゆがみを修正する治療法の事で、やり方さえ学んでしまえば個人で行う事が可能です。
【2019年のアムステルダム公衆衛生研究所(オランダ)や、南デンマーク大学心理学科】などによるメタ分析(論文をまとめた論文)によると、インターネットを利用した認知行動療法が、不安障害の改善につながったと42の研究と53の比較で明らかになった。
つまり、薬物を使わずに効果を得られるので第一に選択すべき治療方法なのである。
「では認知のゆがみと改善とは?」と思われるだろう。
そこで具体的な例を2つあげていきます。
1・SNSでの認知のゆがみ
【SNSでアンチが湧いて叩かれている→僕は嫌われている→他の人も同じように思ってるに違いない→みんなに嫌われている→人間が怖い】
この様な認知のゆがみがあったとします。
SNSでアンチが湧いて叩かれたというのは事実なので変えられません。
僕は嫌われているというのも事実でしょう。
でもみんなに嫌われているというのは本当に事実でしょうか?
では、具体的な数字を見ていきます。
フォロワーが100人いて、叩いてきているのが1人だったら1%です。
実際には1%の人に嫌われていて、99%のフォロワーには好かれているという事になります。
これだと人間が怖いとなりませんよね?
では、フォロワーが100人いて、60人に叩かれているという場合はどうでしょう。
確かに割合でみると60%に嫌われているかもしれませんが、残りの40%はどうでしょうか?
アンチではないし叩かない、だけどフォローされてるという事は好かれている事です。
40%とは40人ですよね。
40人といえば、学校の一クラスと同じくらいです。
それだけの人に好かれていると思えば凄い事じゃないでしょうか?
2・暴力を恐れるゆがみ
【過去に男性に殴られた→男性を見ると殴られると思ってしまう→男性を見ると怖い】
これも良くある【ゆがみ】だと思います。
過去に男性に殴られたという経験は変えられません。
問題は現在がどうか、未来がどうかという事です。
認知がゆがむと視野が狭まる事があります。
視野を広げてみると気付くはずです。
例えば、電車や学校や職場で沢山の男性がいますが、そのほとんどは殴り掛かってきたりはしません。
現実には殴られるという状況の方が珍しいのです。
これを正しく理解すると、【過去に男性に殴られた→でも他の人は殴ってこない→他の人は安全】
これに気づく事で認知のゆがみは修正されます。
ただし、今現在も日常的に殴られてるとか、治安が悪い場所に住んでて身の危険を感じる人は、とっとと逃げましょう。
認知行動療法を行うには日記が良い
病院で受けれる場合はその方が良いかもしれませんが、問題は中々予約が取れないという事です。
そこで、じゃあ自分でやってみましょうという話になるんですが、その方法としてお手軽なのが日記です。
書くべき項目は以下の通り。
・日時
・気分のパーセント
・ストレスを感じた時に行った対処方法
・ストレスを感じた時のイメージ
・そのイメージに対して反対意見の根拠
・その後の気分のパーセント
これだと少し難しいと思う人は以下の事を書いてみてください。
・日時
・気分のパーセント
・今日あった良い事を三つ
・良い事を書いた後の気分のパーセント
こっちの方が少し簡単ですね。
まず重要なのが、気分を数値化する癖をつける事です。
自分のストレスレベルが分からないと、対処方法や、目標設定を定められません。
例えば人生最悪を-100%で、普通の気分が0%、人生最高が100%とします。
今は辛い気分でも、数値化してみると実は-30%だったりします。
じゃあ取り合えず0%にする事を目標にした時、少し散歩してみたり、深呼吸をするだけで簡単に達成出来たりします。
この様に対策を練るために必要なのが気分の数値化です。
さらに、その記録につける事で、辛い気分になっても時間が経てばメンタルは良くなる事と記録として残ります。
そうすればストレスが怖いものではなくなっていきます。
ストレスを感じた時のイメージを書くのは認知行動療法の最初の手順です。
例えば「自分はダメな奴だ」とか、「親友に嫌われた」とか。
そのイメージを次の段階で、論理的に論破して日記に書く事で認知のゆがみは改善します。
例えば、「自分は営業は苦手だけど家事は得意だし、コツコツ一人でする仕事は向いてるから無能ではない」とか、「親友とは何回か喧嘩してるけど、毎回数日後にはケロッと忘れてまた仲良くしてるから、今回も仲直り出来る」とか。
つまり、事実に基づいてダメなイメージを否定する事で正しい認知に持っていけます。
次に、日記に良かったことを三つ書くというのは【注意バイアス修正治療訓練】という方法の一種です。
人はネガティブな状況では、ポジティブな出来事に気付けなくなります。
何故ならそれだけ余裕がなくなって視野が狭くなるからです。
そこで、無理やりでも良い出来事を、毎日書く事で、ネガティブな出来事は無視して、ポジティブな事に目を向けれるようになるので、ストレスに強くなります。
これは、ネットで笑顔の写真を検索して見たり、【Mood Mint】というゲームで遊ぶだけでも行えますので試してみてください。
マインドフルネス
マインドフルネスとは、簡単に説明するとヨガとか瞑想の事です。
リラックス効果だけならマインドフルネスの深い呼吸を3回程度でも充分に効果がありますが、治療を目的としてるなら、一週間で140~210分(一日当たり20~30分)を大体8週間行います。
こんな事を言うと、こんな反論がよくありますが、「いやいや、そんなスピリチュアルなの効果があるわけねえじゃん」ってのがあると思うんですが、マインドフルネスは今やスピリチュアルではなく科学の分野です。
Google社もマインドフルネスを行い、アメリカでブームになった事によって、現在は科学者が熱心に研究している分野になります。
では何故マインドフルネスが不安に効果があるのかというと、マインドフルネスも自分で出来る認知行動療法の一種だからです。
ただし、【認知のゆがみを修正する】というよりは、【感情を揺さぶられる事なく事実をあるがままに受け入れる】という事が出来るようになるだけなので、どちらかと言えば不安よりも脳を鍛えるトレーニングとして優れています。
マインドフルネスを行う事で、うつ病や不安障害、更には薬物依存や過食も治り、窃盗癖やPTSDの治療にも一定の効果があるとされています。
長期的に行う事で海馬も肥大し、認知機能(頭の良さ)が高まるというので頭脳労働をする人は積極的に取り入れたい方法の一つになります。
【2017年ウィスコンシン大学、セントルイス大学、オーロラ大学】で行われたメタ分析でも、1980年~2015年の研究をまとめた結果、マインドフルネスが不安障害の治療に効果があると証拠が見つかりました。
やり方については、以前に記事にしてますのでそちらをご覧ください。
運動をする
「運動をしない事はうつになる薬を飲んでいるようなものだ」という心理学者の言葉があります。
実際に運動をする時に、行う前と行った後で、気分を数値化してみてください。
筋トレでもウォーキングでも構いませんが、行った後は、ほぼ確実に気分の数値が上昇しているはずです。
あまりハード過ぎなければ、どんな運動でもメンタルを改善する効果はありますが、個人的にはマインドフルネスと一緒に行えるヨガかウォーキングメディテーションをお勧めします。
メンタルの改善と言った意味でこれより効果のある運動は中々ないのではないでしょうか?

森林浴をする
【2019年のウェイクフォレスト大学医学部】の【不安と心拍変動に対する森林浴の効果に関する野外実験のレビュー】という論文があります。
それによると、森林浴をする事によって、緊張や不安、うつ、疲労感、混乱などが減少し、リラックス状態を作り出す事が分かりました。
いつのだったか忘れましたが、ナショナルジオグラフィックでも週に一度、自然の多い場所をウォーキングするだけでうつ病のリスクが下がると紹介されていました。
実際に僕も、どんなに忙しくとも、週に一日だけでも森林公園に行く日を作り、そこでブログを書いていたりします。
作業が捗るだけでなく、気分が最高に良くなるので、去年の夏ごろからずっと習慣にして続けています。
充分な睡眠をとる
睡眠障害になると、うつ病になりやすくなる事が科学的に分かっています。
さらに、長時間寝ていても質の悪い睡眠だったりすると、成長ホルモンが十分に出ないので、疲れがとれなかったり、共感力が下がって人間関係を拗らせたりします。
睡眠とメンタルは密接に関わっているのでしっかり寝るようにしましょう。
とはいえ、「いや、そんな簡単に寝れたら苦労しねえよ」という声もあるかと思います。
そんな方は日中に浴びる光の量を増やして、夜は薄暗い部屋で過ごすようにしてみてください。
日焼けしたくないとか、日中外に出れないって人は、光療法用のライトを買って、大体10000ルクスの明かりを朝起きてすぐに1時間浴びるようにしてください。
目に光が当たればいいので、僕はライトをつけたまま読書をしていますが、光療法を始めてから睡眠の満足度は高まりました。
それと、夜はなるべくスマホやタブレットやパソコンを見るのを避けた方が良いです。
ブルーライトが脳を覚醒させてしまいますので、もし夜に使うなら明るさを減らし、ブルーライトカットのメガネをかけるといいでしょう。
その為のテクニックは以前に記事にしてるのでそちらをご覧ください。
レモンバームや西洋オトギリソウ(ハーブ)の使用
【2019年にマルマラ大学医学部(トルコ)】が【精神障害におけるハーブ補完療法の臨床的証拠のレベル】という論文を発表しています。
それによると、レモンバームを利用したアロマテラピーで71人の認知症患者の生活の質が高まりましたとあります。
さらに900人の子供を対象にした実験では、バレリアンとレモンバームを組み合わせたエキスを7週間子供に服用させることで衝動性が改善され、集団生活が円滑になったとあります。
学校や家庭での問題行動が減り、8週間目には、うつ、不安、睡眠障害、ストレスのレベルが低下したとあります。
2006年のウェストファリアンヴィルヘルム大学(ドイツ)の研究でも、12歳未満の子供918人に対して、バレリアンとレモンバームのエキスを摂取させたところ、80.9%の患者が不眠症を解消したとあります。
凄い効果ですよね。
では何故こんなに効果があるのかというと、レモンバームはどうやらGABA受容体再取り込み阻害の効果があるらしいのです。
それによって神経伝達物質のGABAがニューロンに取り込まれるようになり、ストレスや不眠や不安やうつが改善されるのではないか、との事。
僕自身もバレリアンとレモンバームのサプリを飲んでましたが、下手な睡眠導入剤より、よっぽど効果を実感しています。
そして、西洋オトギリソウ、別名セントジョーンズワートなのですが、これは今も欠かさず服用しているハーブです。
先ほど話題に出てきたGABA受容体や、西洋オトギリソウに関連するセロトニン受容体の働きは遺伝による影響が大きく変わり、不安になりやすいとか、メンタルを病みやすい人はこのどちらかの受容体に問題がある場合があります。
そして、西洋オトギリソウは副作用の少ない【セロトニン受容体再取り込み阻害薬(SSRI)】として古くから使われていますので、「色々試したけど結局メンタルをすぐに病んでしまう」って人にとってはかなり有効な薬となりえます。
西洋オトギリソウは大うつ病や強迫性障害や社会不安障害に対して効果があるという証拠が出ています。
とはいえこんな反論もあると思います。
「いやいや、結局たかがハーブでしょ?効果効能なんてそんな無いんじゃないの?」みたいな。
言いたい事は分からなくはありませんが、実はハーブが薬として認可されないのは、日本の法律に問題があるのです。
日本の薬事法では、効果効能があったとしても、ちゃんと製剤として作られていない限りは薬と定義してはいけませんって法律があります。
ですので、実は海外の論文を見ればちゃーんと効果効能があると分かっているハーブに関しても、サプリメントとしてしか売れないのです。
面白い事に、もし医療用大麻が日本で認可されたとしても、日本の薬事法では【栄養機能食品(サプリメント)】としてしか販売出来ません。
つまり、効果効能はあるけど、あるって言ったらいけないという、謎の法律によってハーブの効能は隠されているのです。
この二つが僕の飲んでるハーブです。
バレリアンのサプリに入ってる【メリッサエキス】がレモンバームです。
他のハーブもついでに紹介
他のハーブでもメンタル改善に効果があると証拠のあるものがあります。
ただし、僕自身試した訳ではないので論文を元に紹介します。
サフラン
認知機能障害や中程度のうつの治療に効果があるとされています。
そう、あのサフランです。
香辛料としてよく売られていますよね。
ツバキ(お茶)
24人の被験者にお茶を飲んでもらって実験したところ、うつ症状、不安、睡眠障害、認知障害が改善されたとあります。
さらに仕事中の集中力が高まり、短期と長期ともに記憶力が向上したという証拠が出ています。
ラベンダー
ラベンダーは様々な香りの中で、多く研究されているハーブの一つで、アロマテラピーを行う事で不安や不眠やうつ病の改善を見込める事が分かっています。
とてもいい香りですので、苦手でなければリラックスできますし、試してみてもいいのではないでしょうか?
ただし、猫を飼っている場合は取り扱いに注意してください。
ラベンダーは猫には危険なハーブです。
パッションフラワー
パッションフラワーは、西インド、メキシコ、オランダ、南アメリカ、イタリアで漢方薬として利用されています。
これだけ使われているのですから効果はお墨付きと言っていいでしょう。
不安、アヘン剤離脱症状、不眠、注意欠陥多動性障害(ADHD)が改善される事が分かっています。
特に不安障害に関しては全般的に強い改善効果があると証拠が出ています。
番外編としてお金の不安への対策
お金の不安や悩みというのは多くの人が抱えています。
貧乏人は勿論そうだし、お金持ちもそうです。
「いやいや、金持ちはお金の不安抱えてないだろ」という反論がきそうですが、言っておきますとほとんどのお金持ちはお金の不安を抱えています。
何故なら、多くのお金持ちは収入の増加と共に生活水準を上げて、それだけお金を使ってしまっているからです。
病気になったり、事故にあって働けなくなったら、収入が下がったり無くなったりしますよね。
多くのお金持ちはそう言った不安やリスクを常に感じながら生活をしているのです。
貧乏でも、お金持ちでも、基本的には不安になるものです。
ただし、例外もあります。
実はお金の不安を解消するには生活水準を下げる事にあります。
毎月の出費が5万前後で出来たとします。
そうすると、60万貯金があれば仕事を急に解雇されても一年暮らしていけます。
120万あれば二年は大丈夫です。
「いやいや、5万で生活とか無理だし」という反論もくると思います。
でも本当にそうでしょうか?
例えば日本であれば、恋人や親の家で暮らすという方法がありますよね。
他人に寄生するなんてみっともないと思われるかもしれませんが、不安を解消する一つの方法として有効なのも事実なのです。
田舎に暮らすのも良いでしょう。
日本では、現在人口が順調に減っているので、無料で貰える家というのが探せば見つかります。
所有者からしたら、住んでない、管理しきれない、という家は、固定資産税がかかるだけ邪魔でしかないのです。
場合によっては、「お金を上げるから家を貰ってください」というケースもあります。
家を貰って、そんなとこに住みながらリモートワークで稼ぐというのも一つの選択肢です。
田舎は食料品も安く手に入るので、家賃が0円なら、生活費は少なくなります。
「いやいや、寄生なんてみっともないマネもしたくないし、田舎にも住みたくないよ」って人もいるとは思います。
そんな人はタイのバンコクに住むというのも一つの方法です。
シェアハウスや一泊500円程度の安宿に泊まれば固定費は少ないし、現地の人と同じ水準の食事をすれば問題なく5万以下で生活出来ます。
タイでは現地採用の仕事も結構あるみたいなので、「インターネットでリモートワークの仕事をする自信がないよ」って人でも、探せば働けたりします。
ジョージアのトビリシに住むというのも手でしょう。
ジョージアはちゃんと賃貸の長期契約をすれば、家賃一ヵ月で5000円前後とかの格安物件も割とあります。
更に、平均年収が50万前後という国なだけあって、食べ物も飲み物も物価は基本的に安いです。
衣服に関しては、贅沢品扱いで少々高いですが、頻繁に服を買わない限りは生活費には困らなそうです。
ちなみにこの国は、ワインの生産で最も歴史のある国なので、美味いワインが安く手に入ると噂なので、個人的には凄く気になっています。
これらの外国に住んだとしても、リモートワークをすれば普通に暮らせます。
探せばこんな感じの裏技的な生き方もあるんですね。
日本から出たくない人は、ミニマリストで検索して、そのライフスタイルを参考にしてみてもいいかもしれません。
まあそんなこんなで今回の結論に入りたいと思います。
不安障害を改善するには、認知行動療法とマインドフルネスをし、補助として医薬品やハーブを使うと良い。
参考論文
オープンコミュニティの不安障害に対するインターネット提供の認知行動療法と臨床サービスの募集:メタ分析
不安のある若者に対するマインドフルネスに基づく介入:系統的レビューとメタ分析
不安と心拍変動に対する森林浴の効果に関する野外実験のレビュー